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7月14日、全日本金者組合は「公的年金等に関わる重点要求」にかかわって厚生労働省と交渉を行いました。交渉には本部をはじめ首都圏都県本部の代表25人が参加。最初に冨田委員長が要求書を提出、2017年度概算要求や補正予算に向け国民の命と暮らしを守る方向で努力して欲しいと要望しました。以下、要求事項に対する厚労省の回答とやり取り。
<年金の毎月支給>
厚労担当者からは、「所要の改正が必要であり、関係機関との調整も必要で、現状では無理」との回答がありました。これに対し、6年前の交渉では「やる」と回答していた。この数年間の担当者が変わるたびに回答の中身が変わってきたのは大問題。主要国は毎月支給が当たり前であり、隔月支給は低年金者にとって切実な問題でもある。いつから実施するのか、明確にすべきと追及。これに対し、「システムの問題があり、13カ月予算となる、日銀への手数料が増え、国保や介護保険など市町村の事務が煩瑣になり、共済事務への影響もあり、年金機構の負担も増えるなど、検討はしているが大きな壁がある」と再回答。組合側から「大きな壁を強調するだけでなく、隔月支給になって既に25年も経過としているし、毎月支給は国際水準であり、受給者の強い要求に応えて欲しい」と指摘したのに対し、「引き続き検討したい」と回答がありました。
<受給資格期間の10年への短縮>
組合側からは、「年金の受給権がなく無年金状態の人が17万人いる、掛金の納付期間が24年11カ月の未満の人は対象外となっている。パート・臨時など非正規労働や自営業者などが多く、結婚・子育て・離婚・再就職・再婚・退職・離職などを繰り返した人もおり、月5万円以下の低年金者が450万人もいる。2014年の自公民の一体改革合意で無年金・低年金者対策として受給資格期間を10年に短縮、低年金者に月額5千円を支援するとしていた、消費税そのものが低所得者、年金生活者にとっては「重税」そのものであり、大企業や富裕層に減税をしている逆立ち税制を根本から改め、消費税率10%はキッパリ中止し、受給資格期間の10年への短縮、低年金者への支援給付金を実現すべきである」と求めました。これに対し、厚労の担当者は、「法律事項であり、10年以上の加入期間があれば給付するということで「合意」しているし、最近の安倍首相の記者会見の発言もあり、財政問題を含めて検討する」と回答しました。
<年金積立金の株式投資の中止>
組合側は、「年金積立金の運用で15年度は5兆円、16年4〜6月で5兆円の損失が報じられ、国民に大きな不安を与えている。年金積立金の運用を2014年10月に株式投資を24%から50%に引き上げたことが問題である。現役労働者や受給者の保険料・掛金を主たる財源している積立金は国民の貴重な掛金であり、株式運用ほど国が行う事業として不適切なものはない。そもそも運用は年金財政に必要ない」と厳しく追及しました。これに対し、厚労省は、「積立金の運用実績は50兆円の黒字になっており長期的視野で見て欲しい。分散投資することが重要」と苦しい答弁に終始。
<上記以外の要求>
「マクロ経済スライド廃止」「年金の支給開始年齢の引き上げ中止」「最低保障年金の早期実現」「年金削減分の返還」を要求しました。
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